登録販売者試験~2章32回目~
剤形
医薬品の形状のことを剤形といいます
▪医薬品の剤形と特徴
①消化管吸収した有効成分が全身循環し薬効をもたらす剤形
錠剤(内服)
- 一定の形状に成型された固形製剤
- 薬を飛散させず、苦味を感じず服用できる
- 高齢者や乳幼児では飲みにくいことがある
- 水なしで服用すると、喉等に張り付いて粘膜を痛める恐れがある
- 噛み砕いてはいけない
- 特に腸溶剤は絶対に噛み砕いてはいけない
散剤,顆粒剤
- 散剤は粉末状の薬剤、顆粒剤は小さな粒状にした薬剤
- 飲み込みが困難な人にとって、錠剤より服用しやすい
- 歯の間に挟まったり、苦味を強く感じることがある
- 飛散を防ぐために、あらかじめ少量の水分を口に含んで使用したり、何回かに分けて少しずつ服用したりするとよい
口腔用錠剤
①チュアブル錠
- 舐めたり噛み砕いて服用する錠剤
- 水なしで服用できる
②口腔内崩壊錠
- 唾液で速やかに溶ける錠剤
- 高齢者や乳幼児、水分摂取を制限されている人に適している
③トローチ・ドロップ
- 飲み込まず舐めて服用する錠剤
- 薬効を期待する部分が口腔内や喉である物が多い
経口液剤,シロップ剤
- 内服用の液状製剤
- 固形製剤より飲みやすい
- 比較的速やかに消化管から吸収される
- 習慣性や依存性がある成分では、不適正な使用がなされる場合がある
- 経口液剤は苦味が強く感じられるため、小児には糖類が混ぜられたシロップ剤が使用される場合が多い
- シロップ剤は粘りがあり容器に残りやすいため、水ですすぎ、すすぎ液も飲む等の工夫をする
カプセル製剤
- カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤等を充填した散剤
- 原材料にブタ等のタンパク質を主成分とするゼラチンが用いられるため、ゼラチンアレルギーの人は使用を避ける
- 水なしで服用すると、ゼラチンが喉や食道に張り付く恐れがある
②有効成分を患部に直接適応する剤形
軟膏剤,クリーム剤
- 患部に塗布して用いる剤形
- 軟膏剤は水から遮断したい場合に用いる
- クリーム剤は患部が乾燥している場合、患部を水で洗い流したい場合に用いる
外用液剤
- 軟膏剤やクリーム剤と比較して患部が乾きやすい
- 適用部位に直接的な刺激感を与える
貼付剤(テープ剤,パップ剤)
- 皮膚に張り付いて用いる剤形
- 適用部位に有効成分が一定時間留まるため、薬効の持続が期待できる
- かぶれを起こすことがある
スプレー剤
- 有効成分を霧状にして局所に吹き付ける剤形
- 手指で塗りにくい部位や、広範囲に適用する場合に用いる