むにくらぶ

-ぐうたら女のいきあたりばったり人生-

登録販売者試験~2章29回目~

薬の生体内運命①

●有効成分の吸収

▪有効成分の溶出

内服薬の殆どは、消化管から吸収されます

固形剤の内服薬の大部分は胃で有効成分が溶けますが、腸溶性製剤は腸で有効成分がとけます

▪有効成分の吸収

主に小腸で吸収されます

消化管からの吸収は濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していき、消化管が積極的に成分を吸収していくわけではありません


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消化管で吸収された有効成分は、門脈を通して肝臓に運ばれ、肝臓の酵素により代謝されます

肝機能が低下した人は、全身循環される有効成分か多くなるため、効果が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなります

 
 
▪消化管以外の粘膜吸収

坐剤

  • 肛門から挿入、直腸内壁の粘膜から吸収させる
  • 直腸粘膜静脈が豊富に分布しており、有効成分が容易に循環血液中に入るため、全身作用速やかに現れる
  • 初めに肝臓で代謝を受ける前に全身を巡るため、全身性副作用を生じることがある

点鼻薬

  • 一般医薬品に全身作用を目的とした点鼻薬はない
  • 鼻腔粘膜は毛細血管が豊富に分布しており、有効成分が循環血液中に容易に入る
  • 初めに肝臓で代謝を受ける前に全身を巡るため、全身性副作用を生じることがある

舌下錠・咀嚼剤

  • 舌下錠は舌の下に挿入、咀嚼剤は噛むことで有効成分を口腔粘膜から有効成分を吸収させる
  • 初めに肝臓で代謝を受ける前に全身を巡るため、全身性副作用を生じることがある

点眼薬

  • 鼻涙管を通り、鼻粘膜から吸収されることがある
  • 鼻涙管からの流出を防ぐために、点眼時に目頭を押さえるとよい
  • アレルギー性副作用を生じることがある

含嗽薬(うがい薬)

  • 含嗽薬の成分の殆どは、食道に流出するため、全身性の副作用を生じることは少ない
  • アレルギー性副作用を生じることがある

 

▪皮膚吸収

塗り薬、貼り薬等の殆どは局所的な効果を目的としています

有効成分の浸透量は、皮膚の状態、傷の有無や程度によって影響を受けます

皮膚から吸収された有効成分は、初めに肝臓で代謝を受ける前に全身を巡るため、使用量、回数、頻度によっては全身性の副作用を生じることがあります

また、適用部位以外アレルギー性の副作用が生じることがあります